護られなかった者たちへ
おはち評価 ⇒ ★★★★☆ (4.5)
『護られなかった者たちへ 中山七里』
昨年、映画化前に裏表紙に書かれている
あらすじに惹かれて購入しました。
切ないけど考えさせられるストーリーです。
★あらすじ
仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。
三雲は公私ともに人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見からさかのぼること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か。
なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか? 誰が被害者で、誰が加害者なのか。
本当に“護られるべき者"とは誰なのか
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……
万般の思いが交錯した先に導き出される切なすぎる真実――。
✍️
私自身、福祉に携わる仕事をしております。
一通り勉強しています。
殺害された被害者三雲と同じ仕事もする可能性も
あるので他人事とは思えない内容でとてもリアルでした。
仕事って良くも悪くも年数が経てば組織に染まり
情熱は失われ、正しいことが見えなくなることも
あるかと思います。
この小説の舞台は「福祉課の窓口」です。
本当に生きるか死ぬかの瀬戸際で訪れる方も
多くいらっしゃると思います。勿論そうでない方もいますが。
多忙な業務に追われて、真摯に対応することって
難しいのが現実なのかもしれませんが
窓口の対応で救われる人って沢山いることも現実。
福祉に携わる者として一人一人の人間にしっかり向き合い
困っている人に手を差し伸べられる人間でありたい
と思います。
そうは思っても人間ってそう簡単にはいかない…笑
慣れって怖いですよね。
常々初心に戻る努力を怠らないようにしたいですね。
本性
おはち評価 ⇒ ★★★☆☆ (3.0)
『本性 伊岡瞬』
あっという間に読めて面白い作品でしたが
登場人物が救いようのない人間ばかり、、、
胸糞悪い本でしたので少々評価は低めです(笑)
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★あらすじ
この女から、逃げられない。衝撃が二度襲う破滅のサスペンス!
40歳独身の尚之は、お見合いパーティで《サトウミサキ》と出会う。彼女の虜となり逢瀬を重ねる尚之だが、結婚の話が進むにつれてミサキは不審な行動を見せ始める。一方、若手刑事の宮下は、一匹狼のベテラン・安井の相棒として、焼死事件を追っていた。単純な火災事故のはずが、安井だけは裏に潜む事件を確信しており――。関わる者を必ず破滅させる女、その正体とは? 全ての謎が繋がるとき、あなたを再び衝撃が襲う!
✍️
嫌悪感を抱いてしまう人間ばかりが登場します。
この本を読了した後も何かを得られるというより
疲れました(´-`).。oO
サクッと本を読んでしまいたい人や
スピード感を求める人には読みやすいかと思います。
のようなイヤミス作品は苦手ですが
たまに無性に読みたくなります笑
Aではない君と
おはち評価 ⇒ ★★★★☆ (4.0)
『Aではない君と 薬丸岳』
少年犯罪について考えさせられる本でした。
思春期における親の教育・家庭環境は
とても大切なものだと痛感しました。
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★あらすじ
殺人者は極刑に処すべきだ。親は子の罪の責任を負うべきだ。周囲は変調に気づくべきだ。自分の子供が人を殺してしまってもそう言えるのだろうか。読み進めるのが怖い。だけど読まずにはいられない。この小説が現実になる前に読んでほしい。デビューから10年間、少年事件を描き続けてきた薬丸岳があなたの代わりに悩み、苦しみ、書いた。この小説が、答えだ。
殺人者は極刑に処すべきだ。親は子の罪の責任を負うべきだ。周囲は変調に気づくべきだ。
自分の子供が人を殺してしまってもそう言えるのだろうか。
✍️
事実の裏には隠された真実があります。
非常に深い内容でした。
自分が加害者の親であればどうだろうか、
また被害者の親の立場であればどうだろうか、、、
「物事のよし悪しとは別に子供がどうして
そんなことをしたのか考えるのが親だ」
何か起きてからでは遅い。直接親に話せなくとも
SOSはだしていることが多いと思います。
父、吉永の事件後の葛藤は本当に人間心理の的を
射ていることが多く、色々な感情がわきました。
実際、事件が起きて親の立場であれば
自分自身の社会的な立場を優先してしまいそうにも
なりますが、離婚しているにも関わらず
親としての使命を果たそうとしている父の姿は
勇気があると思いました。
罪を犯した当人も少年犯罪は更生が目的といえども
ネットが普及している現在、名前を検索すれば
前科はすぐにバレてしまいます。
自分の犯した罪としっかり向き合い更生するのも
大変な苦労だと感じますが
それを乗り越えていくことも大切だと思います。
ライオンのおやつ
おはち評価 ⇒ ★★★★☆ (4.5)
『ライオンのおやつ 小川糸』
基本ミステリーを読むことが多いのですが
たまに心温まる作品を読みたくなります。
読書初心者でも非常に読みやすい作品かと
思います(๑❛ᴗ❛๑)
あまり涙脆い方ではないのですが
この作品は本当に泣ける作品でした。
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★あらすじ
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
✍️
心に残るフレーズが沢山あり、いくつか書き留めて
おりましたので、ご紹介致します。
▼思いっきり不幸を吸い込んで、吐く息を感謝にかえればあなたの人生はやがて光り輝くことでしょう
▼人の幸せってどれだけ周りの人を笑顔にできたかどうか
▼人は生きている限り変わるチャンスがある
▼そんな簡単に自分の生き方を変えることは出来ない。でも自分の人生を最後まで諦めずに変えようと努力することに大きな意味がある。
余命宣告された後って
環境や考え方次第で残りの生き方が変わって
くるものかと思います。
「おやつ🍪」ひとつでも本当にさまざまな
思い出があり亡くなる前に良き思い出を
振り返られる時間があるって
素敵なことですよね。
自分がこの物語の主人公の立場に立たされた時
雫みたいに前向きになれるかと考えたら
難しい気がします。生きている間は綺麗な魂に
なる為、日々修行・努力が必要なのかと思います。
エンド・オブ・ライフ
おはち評価 ⇒ ★★★★★ (5.0)
エンド・オブ・ライフ 佐々涼子
佐々涼子さんのノンフィクション小説は
内容が深くて感動します。
ずっと手に持って置きたい一冊です。
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★あらすじ
200名の患者を看取ってきた友人の看護師が病を得た。「看取りのプロフェッショナル」である友人の、自身の最期への向き合い方は意外なものだった。
残された日々を共に過ごすことで見えてきた「理想の死の迎え方」とは。
在宅医療の取材に取り組むきっかけとなった著者の難病の母と、彼女を自宅で献身的に介護する父の話を交え、7年間にわたり見つめてきた在宅での終末医療の現場を静かな筆致で描く。
私たちに、自身や家族の終末期のあり方を考えさせてくれる感動ノンフィクション。
✍️
家族が望む死のかたちと本人自身が望むものは
全く違うこともある。
死生観が変わる一冊でした。
私も医療福祉職です。
今後、仕事・プライベートどちらでも
看取りをする機会があると思いますが
可能な範囲で相手のニーズを叶えられる
支援者でありたいと感じました(^^)
良い意味で常識に囚われないことも
大切なのかと思います。
ザリガニの鳴くところ
おはち評価 ⇒ ★★★★★ (5.0)
ザリガニの鳴くところ ディーリア・オーエンズ
外国の作家さんは初挑戦です。
半年前に読みましたが今でもストーリーの
自然描写を頭に思い描くことが出来ます。
とても深い内容で圧巻の作品です。
★あらすじ
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。
6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。
以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。
しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……
みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。
自然描写が素晴しくとても引きこまれる作品!
不幸が重なる状況下に置かれても
必死で生きる主人公を応援したくなります。
後半あたりからストーリーの展開も
変わってきてラストも衝撃的でした(^^)‼️
正欲
おはち評価 ⇒ ★★★☆☆ (3.2)
朝井リョウさん 正欲
こちらも気になって文庫化する前に
購入しました。
ちなみに朝井リョウさんは
気になる作品はいくつかありましたが
今回初めて読みました(^^)
★あらすじ
あってはならない感情なんて、この世にない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ。
息子が不登校になった検事・啓喜。
初めての恋に気づいた女子大生・八重子。
ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。
ある人物の事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり合う。
しかしその繋がりは、"多様性を尊重する時代"にとって、
ひどく不都合なものだった――。
「自分が想像できる"多様性"だけ礼賛して、秩序整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな」
これは共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?
最近は多様性が尊重される時代に
なってきて世間から認められ難い
嗜好を持つ方もSNSを通して繋がることが
出来たり公にすることが出来るように
なってきました。
ただストーリー的に共感し難い部分が
少々ありましたので独断の評価は3.2と
させていただきました(^ ^)
硝子塔の殺人
おはち評価 ⇒ ★★★★☆ (4.5)
知念実希人さん 硝子塔の殺人
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★あらすじ
雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。
地上11階、地下1階、唯一無二の美しく巨大な尖塔だ。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、
刑事、霊能力者、小説家、料理人など、
一癖も二癖もあるゲストたちが招かれた。
この館で次々と惨劇が起こる。
館の主人が毒殺され、
ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体が。
さらに、血文字で記された十三年前の事件……。
謎を追うのは名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬。
散りばめられた伏線、読者への挑戦状、
圧倒的リーダビリティ、そして、驚愕のラスト。
著者初の本格ミステリ長編、大本命!
どんでん返し❗️が2回くらい起こりました。
読み始めるととまらないので一気読みです。
多業種・豪華キャストの中で起きた密室殺人!
久々に面白いと思えるミステリーに
出逢えました(๑・̑◡・̑๑)
ちなみに知念さんの作品は十字架のカルテも
大好きです★ミ
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